この連載の記事
1. 進化する吃音
――伊藤先生は吃音を持つ方に数多くインタビューされてきたそうですが、まずは吃音とはどういうもので、どんな症状があるのか、といったあたりから教えていただけますか。
2. どもりやすい状況
――ちょっと話変わっちゃうんですけど、私、昔から度忘れが激しいんですよ。人の名前がもう本当に覚えられなくて、最近は歳のせいもあると思うんですけど……。それでちょっと思ったのが、度忘れと難発って見かけ上は同じじゃないですか、言葉が出てこないという点で。でも中で起きてることは違っていて、度忘れは言葉自体が頭に浮かんでないん
3. 吃音における「キャラ」の功罪
――「キャラ」を演じるとしゃべりやすいっていうのは感覚的にはなんとなくわかるんですけど、しゃべる内容は当然自分がしゃべりたいことをしゃべるわけじゃないですか。別に映画やアニメのキャラの決まったセリフをまねするわけじゃないのに、それで吃音が出なくなるっていうのは不思議ですね。
4. 「自分」の輪郭
――俗にいう「身心二元論」って、体があって、それとは異なる私がいるってことですよね。それが心なのか意識なのかは別としても、さっきお話したみたいに、言語を獲得していなければ「私」さえ認識できないのであれば、もういっそ私とは言語であると言っちゃってもいいのかなって。