この連載の記事
1. 武士道の「発見」
――「死生観」という言葉が出てきたのが、実は明治も後半になってからだとお聞きして意外だったんですけど。その背景にあるのは、日本が近代国家をつくっていく上で「あるべき日本人像」みたいなものが求められたということでしょうか。
2. 集団によるアイデンティティ
――武士が死を強く意識したというのは、君主のために死ぬということに自己のアイデンティティを見ていたということでしょうか。
3. 死を迎えるための教養
――自殺という行為そのものは江戸時代からあったけど、明治の終わりに藤村操が「生きている意味がわからない」という理由で、初めて自殺をした。初めてと言っていいかどうかわからないですけど、「実存の悩み」みたいなものが出てきたということですね。
4. 永遠のものにつながる
――現代人は、私自身も含めて、死後の世界をそのまま信じるのは中々できないように思うのですが、そうすると生きている限り、死の不安から逃れるのは難しそうですね。