この連載の記事
1. はじめに言葉があった
――今日は、言葉とはどういうものかについてお聞きしていきたいと思います。言葉というと普通は、もともとあるモノにつける名前だったり、自分の中の考えや感情を入れて表現する「箱」みたいなイメージだと思うのですが。
2. 語りえないもの
――先ほどちょっとお話された、論理学における構造というのは言語とはまた違うんですか。
3. 小林秀雄
――先生は小林秀雄にもたいへん興味をお持ちですよね。
4. 「私」と世界
――それで、今日ちょっとお聞きしたいなと思っていたのが、言語を覚える前の赤ん坊が世界をどういうふうに見てるんだろうということで。実際にはどうやったって分かんないんですけど。
5. 境界としての言葉
――くり返しになっちゃいますけど、物自体の世界には私たちの知覚はぜったいに届かない。一方で人間は言葉を使って私たちだけの世界、言葉の世界を作っている。ただ、その言葉の世界も、物自体の世界があるからこそ生まれたと考えていいんでしょうか。