この連載の記事
1. 「戦争」が指し示すもの
――今日は戦争の歴史というか変遷史、戦争がどこでどのようにして始まり、時代と共にどう変わってきたのかについてお聞きしていきたいと思います。まず、戦争とはそもそも何なのか、といったところから教えていただけますか。
2. 国民国家の成立
――戦争という言葉が国家間の戦闘を指すとはいえ、主権国家以前にも「戦争」はあったと思うのですが、近代以前のヨーロッパの戦いはどういうものだったんですか。
3. 世界戦争
一方でクラウゼヴィッツは、戦争にはそれに内在する独自の論理があると言っています。たとえば味方の兵士が10人殺されたら、こっちは20人の敵兵を殺す。すると相手は40人の味方を殺し、こっちは80人を……という風に、お互いが相手の攻撃以上の攻撃を加える。理屈上、そうしないと勝てないわけです。するとどうなるか。相互の暴力が無限
4. テロとの戦争
最初に言った通り、日本語の「戦争」が意味しているのは基本的に国家間戦争です。その国家間戦争が連鎖して世界中を巻き込んだのが第一次・第二次大戦でした。これに対して、「テロとの戦争」の相手は国家ではありません。相手はテロリストだと、この戦争の主導者たるアメリカは主張するわけです。
5. 「狂気」の中で
――ここまでのお話をお聞きしていると、近代以降の戦争というのは資本主義というか、自由経済というシステムが不可避的に引き起こすもののように思えてきました。戦争が起きれば兵器が売れ、産業が発展し、新たな技術開発への投資も可能となる。朝鮮特需なんかはその好例ですが、人間が殺し合うことで発展していくシステムって一体なんなんだと