この連載の記事
1. 国語と国家
――昔からあるものだと思っていた国語が、実は明治期に、人為的につくられたものだったというのはけっこうな驚きだったんですけど、国語という概念自体が生まれたのはいつ頃なんですか。
2. 国語の「中身」
私たちが使うことばには、話しことばと書きことばがありますよね。でも、ふつうことばとは何かと言われたとき、近代以前までは、この話しことばと書きことばというカテゴリはあまり意識されていませんでした。とくに漢字使用圏ではその傾向が強かったと言えます。
3. 柳田国男の国語観
――先ほど全国の方言を調査したというお話がありましたが、上田萬年が標準語を人為的に、科学的につくろうとしたのに対し、柳田国男は自然に実現するものだと考えていたというのも面白いなと思いました。
4. 言葉は誰のものか
――「ことばの壁」という表現がありますが、人びとを凝集させ、時に排除する言語の力って、一体何なんだろうって考えることがあります。国語がまさにそれを利用して、国民国家をつくったわけですが。