この連載の記事
1. 離れることでつながる
――まずは社会の定義といいますか、社会の条件、ひとことで言っちゃうと社会とは何かってことなんですけど。どういうものが社会で、どういうものは社会じゃないのか。たとえばで言うと、家族は社会なのかどうか、といったあたりから教えていただけますか。
2. 社会学のはじまり
トイビト編集部
「距離」というものを考えたときにいつも対になって出てくるのが、ちょっと雑な言い方ですけど、「自由」だと思うんです。つまり、それぞれの人が勝手なことをできるし、勝手なことを考えられる「自由」。もしもそれがなかったら、他者が何を考えているかを気にする必要もあまりないですよね。大体みんなが同じようなことを考えているか、ある
3. 大都市の人間関係
――同情によって人びとが同じになることをめざしたフランス革命に対し、アメリカ独立戦争は違う人同士が距離を取って話し合うことで合意点を探っていった。人間は一つになれるというフランス革命の思想はたしかに魅力的ですけど、独立戦争の方が現実的と言うか、コミュニケーションとして実践的だなって思いました。
4. レーベンとの糸
――今までのお話をお聞きして、ジンメルが今のSNSによるつながりを見たらどう言うのかなって、ちょっと思ったんですけど。
5. 「自由」から自由になる
――いまって、若い人に限らず、コミュニケーションやアイデンティティに悩みや疑問を抱いている人が、私自身も含めて多いと思うのですが、それに対して社会学にできるのはどんなことだと思われますか。