この連載の記事
1. 「アニミズム」の起源
――アニミズムというのはざっくり言うと、人間以外の存在、動物はもちろん木や草や石といったものにも魂があるとする考え方だと思うのですが、この「アニミズム」という言葉が出てきたのはいつ頃ですか。
2. 現象の真っただ中で
――われわれが「主体と対象」という図式で世界を捉えることを前提に、対象である動植物との間に身体的な非連続性と内面的な連続性を認める思想、というのがデスコラのアニミズムの定義でした。ただ、これにも批判があるとのことですが、たとえばどのようなものですか。
3. 魂とは何か
――次に、先生が長年にわたって調査されているプナン(ボルネオ島の狩猟採集民)についてお聞きしたいと思います。プナンでは人が亡くなると、その人が身に着けていたものや使っていた道具などをすべて焼き払ってしまうそうですね。われわれの社会では遺品としてその一部をとっておくのが一般的だと思うのですが、プナンのこの行為というか慣習
4. 往って、還ってくる
――ここまでいろいろなアニミズムのお話がありましたが、私たちに身近なものとして、アイヌの人びとの文化や風習があると思います。アイヌといえばクマ送りの儀礼である「イオマンテ」が特によく知られていますが、クマを儀式の対象にするのは、アイヌに限らず、ユーラシアの北方では広く見られるそうですね。