現代とはどのような時代なのか。この問いに精確に答えることは、誰にとっても容易ではないでしょう。「混迷を極める現代」とよくいわれますが、その「わからなさ」の大本は、われわれ自身がまさにその渦中を生きていることにあるのかもしれません。細胞が新陳代謝を繰り返すように、現代もまた刻一刻と変化し更新され続けている。であるならば、その混迷を解くカギは移り変わる今ではなく、現代の「はじまり」にこそあるのではないでしょうか。人類さらには地球の歴史をも転換させた「近代化」を見つめ直すことで、われわれが生きるこの時代の本質に迫ります。